所長の広井が世界初(?)の「鴨川ディープタイムウォーク」を行いました(2024年5月23日)。

「ディープタイムウォーク」とは、地球46億年の歴史を4.6キロの距離に見立てて歩行し、その間に地球史の中での生命の発生と進化、人類の誕生と歴史等を追体験する試みで、イギリスのシューマッハー・カレッジのステファン・ハーディング博士が考案したものです(本ホームページ掲載の中村研究員報告書参照)。
Deep Time Walk – explore Earth history and geological time

5月上旬に広井が鴨川沿いを歩いていた際、京都駅近辺からいわゆる鴨川デルタまでの距離がこれに近いのではないかと気づき、確認したところ、偶然にも七条大橋から鴨川デルタまでがほぼ4.6キロであることが判明しました。

5月23日に実際に歩いてみたところ、三条大橋など鴨川沿いの主要スポットや景観変化を伴った、地球史と京都の歴史が重なるような興味深いコースとなっていました。また終着点の鴨川デルタの先に下鴨神社の鎮守の森が位置している(さらにその遠景に北山)という点も象徴的であるように感じられました。

日常の直線的時間の根底にある、また最終的には46億年という量的長さを超えた「深層の時間」にふれるような、「鎮守の森ディープタイムウォーク」と呼びうる試みが考えられるのではと思った次第です(広井記)。

 

付記 いま言及した「深層の時間」については拙著『ケアを問いなおす――〈深層の時間〉と高齢化社会』(ちくま新書、1997年)を参照いただければ幸いです。ちなみにディープタイムウォークでいうところのDeep Time とは地質学に由来する言葉で、これについてはスティーブン・J・グールド『時間の矢、時間の環――地質学的時間をめぐる神話と隠喩』(工作舎、1990年)という印象深い著作があります。上記拙著の「深層の時間」はこうした文脈とは異なるもので、死生観などに関する考察から生じたものです。

 

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